俺様男子

 *優side*



 莉子と北川を置いて教室の隅に塁と来た。




 ここから十分に莉子たちは見える。




 話の内容までは聞こえないが。





「…なぁ、なんでもっと早く言わなかったんだよ!?」

「わりぃ…。俺も迷いがあったんだよな」

「何の?」

「こんな真剣なことで人とか頼ったことねぇし、相手に迷惑になるんじゃねぇかとか…」




 正直な話。




 莉子たちの負担になるのは避けたかった。





「…それさ、ふざけてんの?」

「んなわけねぇだろ」

「…優はさ、俺とか莉子に頼られてどう思う?」




 莉子や…塁に頼られて?





「…協力するけど」

「同じだろ?! 俺も優は大切な友達だぜ? 俺に出来ることならしてやりてぇ」

「………そうだな、俺が間違ってた」




 分かればいい、と塁は笑う。