クスッと笑った草野さんは今度は私を見る。
「…正直言って、鈴木さんが気に入らないよ。どうせあんたもイケメンがいいだけでしょ? 価値が高いものがいいんでしょ? 私と同じね」
この人は何を言ってるんだろうか。
反論する気さえない。
「てめぇ!!」
それを許さなかったのは夏弥君。
「何よ」
「莉子ちゃんをバカにしてるだろ!? お前みたいな奴と何が同じなんだよ!! イケメン?2番目? ふざけんな。お前の彼氏に何か死んでもならねぇ」
いつもの夏弥君と違い、口調が荒く、相当怒っているみたいだ。
「な、夏…」
「なんでこんな奴のせいで莉子ちゃんが悲しまなくちゃいけないんだよ!! 苦しむべきなのはお前だろう!?」
握られた手の力が少しずつ強くなって行くのがわかった。
「何やってんだ、お前ら」
そこに平然とした顔でやってきたのは優。

