俺様男子

「…夏弥君……」

「あ、独り言だから気にしないで? さ、寝よっか」

「…う、うん」



 夏弥君に頭を撫でられながら眠りについて行く。



「明日は莉子ちゃん休むんだからゆっくり寝てね」

「…うん、おやすみ」

「おやすみ」



 この人は本当に年下なのだろうか。




 卒業したけど、本当にまだ中学生を終えたばかりの子なんだろうか。




 包容力ありすぎ……。




 そんなことを考えているといつの間にか寝入った。






 目を覚ましたのは、聞こえないはずの愛しい声。







「もう乗り換えたのかよ、早いな」

「…兄貴!! それは兄貴が言えることじゃねぇだろ!?」




 二人の争っている声で目が覚めた私はゆっくり上半身を起こす。




「…莉子はもう他の男か」

「…え?」

「は、お気楽だな。せいぜい夏弥に大事にしてもらえよ」




 何を言ってるの…?





 制服姿の優を見つめながら返す言葉を探す。