俺様男子


「じゃあ一緒に寝よっかー」

「…え、それは……」

「大丈夫だよ。兄貴の好きな人を奪うようなことはしないから!」

「う…」



 彼氏がいないなかハッキリ断る理由もない。





 ましてや仲のいい方だと思う夏弥君だ。




 夏弥君に嫌なことをされた覚えはないし、大丈夫だよね。





 二人のほうが温かいし。





 そう思って夏弥君が座っているベッドに私も横になった。





「…電気消すよ~」

「うん!」


 夏弥君も電気を消してから私の横に入ってきた。




「そんな怖がられると…傷つくでしょ」

「あ…ごめん、そんなつもりはなかったんだけどね」




 夏弥君のなが腕が近付いてきて私と夏弥君の距離が縮まる。




「兄貴に見つかったら殺されちゃうよ」

「…大丈夫だよ。優はもう私の傍から離れて行っちゃったんだもん」

「……俺なら絶対そんなことしないのに…好きな人は絶対守るし、大切にする…」



 夏弥君の表情は暗くてよく見えないけど、悲しい声をしてた。