場合?
「どういうこと?」
「辛い恋をしてる人なら助けてあげたいし…俺のが幸せに出来るのにって思うよ」
「なるほど…」
だけどそれは…優の場合違うのだろう。
草野さんが優を物としてしか見てないとしても、優の前ではそんな風に扱っているわけでもない。
優さえ知らなければ上手く行く2人だし。
優にとっての幸せは草野さんと恋人であることかもしれない。
「莉子ちゃん…考え過ぎだよ。気楽に行こ?」
「うー…」
「人生って案外、簡単に進んで行っちゃうんだよ? 進むままに行くのもいいんじゃない?」
「…まぁ」
「また栄養失調になっても困るしね?」
そう言って私の頭を撫でる夏弥君。
「もー! 夏弥君が年上みたいじゃないの!!」
「へ?」
「私のほうが先輩なんだからね!?」
「ぶっ(笑)そんなこと気にしてたの? 子供だねー」
私のほっぺをつつく夏弥君の長い指。

