夏弥君のベッドに座って夏弥君のほうを見た。
「…どうしたの?」
「あのね…」
私は草野さんにジュースをかけられたときのことを詳しく話した。
話が進むにつれて涙線が緩みだす私を支える様に私の横に座って肩を貸してくれた夏弥君。
「草野って言う女…なんか可哀相だね」
「可哀相?」
「…人を価値でしか見れないってことでしょ? そんなの愛じゃないでしょ」
夏弥君の言うことは正しかった。
中学生なのに、考えは大人らしい。
「それ兄貴も被害者だよね」
「ある意味ね。でも優は草野さんのこと好きなんだし…」
「……莉子ちゃんも優のこと好きなんでしょ? 奪っちゃえばいいのに」
奪うかぁ……。
優は望んでないだろうな。
「もしさ…夏弥君の好きな子も他に好きな人がいたらどうする?」
「…んー……場合によっては奪っちゃうかもね♪」

