「…ねぇ、優」
返事はないけど、気配は感じる。
証拠に扉がカタンッと揺れた。
優が扉にもたれかかっているのであろう。
「…草野さんと付き合うのは…いいんだけど、私を無視する必要まであるの? 塁君や柚ちゃんまで…悲しい思いをしてるよ」
タオルを取って服を着る。
何も返事はないけど、まだいるのだろう。
「優は愛されてるね……」
そんな言葉思ってもいない。
草野さんは優を利用しようとしてるんだよ。
価値の高いものとしてしか見てないんだよ。
言いたかった。
だけど、優は草野さんが好きなんでしょう?
私が優のことを好きでもう一度よりを戻せたらなんて…出来るならしたいけど、優の好きな人の事を悪く言ってまでは望んでない。
応援したい。

