「兄貴、どういうこと? 説明しろよ」
しまったというような顔をした兄貴。
もう遅い。
ちゃんと全部話せ。
兄貴を睨みつけるとため息をついて俺にケータイを投げた。
「見ろよ…受信ボックス」
「え…?」
言われた通りケータイの受信ボックスを開くと数えきれない数の『草野』という文字。
「何だこれ」
「これから話すことは絶対誰にも言うなよ? 母さんにもだ」
「あ、あぁ……」
兄貴に聞いたことは本当に恐ろしく、兄貴が弱くなるのも分かった。
「なぁ…俺、どうすりゃいい……?」
答えなんてなかったんだ。
こんな切なそうな兄貴を見たのは初めてだ。

