俺様男子



 夕飯を食べてから部屋に戻ると莉子ちゃんは起き上がってた。




「目、覚めた?」

「うん…ここ夏弥君の部屋だよね…?」

「うん。気にせずに横になってて」




 母さんに目を覚ましたって言ってからもう一度部屋に戻った。





「…無理矢理聞くわけじゃないけど……話す気になったら話して?」

「…」

「俺の勝手な想像だけど、莉子ちゃんは何も悪いことしてないでしょ? 勝手なのは兄貴と草野って女だよね」




 俺が『草野』と言う名前をだした瞬間にこわばった顔。





 やっぱり……。




「俺は莉子ちゃんの味方だよ? 今回ばかりは兄貴どうかしてる」

「…夏弥く…ッ」

「莉子ちゃんね、栄養失調だって。ちゃんと食べてた?」




 本人を攻めてることになるのかもしれないけど…。





 ちゃんと解決してあげたかった。






 兄貴の大切な人だからっていう理由じゃなくて、俺が助けたかった。