俺様男子

「失礼しまーす…って先生、出張じゃん…」


 テーブルの上に「出張中」という文字。




「ま、いいか」



 独り言のようにそうつぶやいて莉子をソファに座らせる。



「冷やすくらいしかすることねぇよな」

「そだね…」



 どこか元気のなさそうな莉子の声。



 ソファの後ろに俺がいるから、莉子の表情が見えない。






 俺は氷を用意しながら莉子に尋ねる。




「痛い?」

「大丈夫」

「……元気ねぇな。打ちどころ悪かった?」



 準備した氷を持って莉子に近づく。




「……は?」

「あ、ごめ…」




 莉子が…泣いてる。




「ちょ…どうした!?」

「…なんっ、でもない…」