お姉ちゃんは分かっているのか何も聞かずに行ってしまった。 お母さんの足音も遠くなっていった。 「夕飯、置いておくわね」 そう言って。 ごめん、今は食べたくないよ。 もう一度優に確かめる勇気なんてないし、柚ちゃんや塁君に助けを求める余裕もなかった。 ひたすら泣いて朝を迎えた。 「学校いかなきゃ……」 一睡もしないで制服に着替えて、お母さんに「行ってきます」だけ言って家を出た。 「朝も食べないの?!」 「……」 ごめん……。