本当に急だった。
その日はずっと話しかけても冷たい目で見降ろされるだけで。
常に横に立ってる草野さんは勝ち誇ったように笑って優の腕に絡みついてた。
考えたくないけど、草野さんの仕業?
柚ちゃんは話しかけなかったみたいだけど、目が違うって言ってた。
お昼は私が2人のお邪魔をして3人で食べた。
優と草野さんは屋上にも顔を出さなかった。
「なんだよ、あれ……」
塁君が気まずそうに見つめる先にはバカップルみたいな二人が歩いてた。
一緒に帰るみたいだ。
「…莉子ちゃん」
「……先、帰るね」
2人の返事も聞かずに学校を出た。

