俺様男子



 き、聞こえなかったのかな?




 目はあったんだけどな…。





 私は優の1つ後ろの席に座って優の背中を眺めた。







 いつもなら『コーヒー買ってこい』やら『今日の手紙はいくつだったか』とか色々話しかけてきたり、構ってくれたりするんだけどな。






 また……妬かせるようにしてるの?





「…ゆ、優……?」

「…何」

「…どうしたの?」

「どうしたって話しかけてきたのお前じゃん。どうしたはこっちなんだけど。用がねぇなら呼ぶな」




 …え、優……?




 明らかに目が違った。




 冷たい目。




 席を立って教室を出た。




「…なに、あれ」