……こいつ、危ねぇぇ……。
直視できない俺は重傷なのか?
「ねぇ…怒ってんの?」
「…怒ってねぇ」
「怒ってんじゃん…」
プクッとほっぺを膨らました莉子は下を向く。
これ、俺が危ない。
そう瞬時に悟った俺は、莉子を解放する。
「怒ってない?」
「あぁ」
「ほんとッ……あ゛!!」
「!!??」
本当!?と繋げるはずであった言葉は莉子の唸り声に変わった。
「え…莉子……」
「…ッ…」
下を向いていた莉子は急に顔を上げたからそのまま後ろにあった壁に頭をぶつけた。
「え、バカ?」
「うるさい!!」
「見せて」

