私が草野さんに反抗さえしなければ済んでいく話なのかもしれない。
6クラスもあるんだから2年生になったら離れる確率は高い。
私と優が離れる確率も高いけどね。
「この前、学校案内してくれなかったんだから今日の放課後はしてねー?」
「もう覚えただろ」
「覚えてないもん!」
前の二人が会話をしてるのを見てるだけっていうのも我慢すればいい話。
普通の友達でしょう?
私は束縛なんて望んでないし、してあげたくない。
前はおとなしい感じのお嬢様系だった気がする草野さんも今ではギャル化した草野さん。
休み時間に念入りにメイク直しをしては鏡を見つめて優の傍に行くのが習慣みたい。
「莉子? 大丈夫か?」
「…え? あ。うん」
急に振り返った優は私の顔の前で手を振る。

