「き…にき……兄貴!」
「ん゛―――…」
誰かに肩を揺すられて起こされた。
いつの間にか俺も寝てたみたいだ。
「…なんだ、夏弥か」
「……俺で悪かったね。もう19時だよ? 莉子ちゃんいいの?」
夏弥が指を指す方向には未だに爆睡中の莉子。
「あ、やべ……」
「早く送ってあげないとおばさんたち心配するよ」
「あぁ…」
母さんたちはまだ帰ってきてないみたいで家には3人。
「莉子、起きろ!」
軽く頬をペチペチと叩いて起こす。
「兄貴!? 莉子ちゃんに何すんの!」
「あ?」
「彼女にはもっと優しくしないと!!」
夏弥が驚いた表情で俺の腕をつかんだ。
別にそんな強く叩いてねぇし。
「俺に優しさなんか求めんなよ…」
「もー、兄貴は。莉子ちゃーん、起きて~」

