家に着くと誰もいないみたいだ。
テレビをつけて莉子の好きなオレンジジュースと俺の好きなコーヒーを冷蔵庫から出してテーブルの上に置いた。
まだ眠そうにしてソファにもたれかかる莉子を押して隣に座る。
さっきも叩き起してやったからな。
テレビから人の声が聞こえるだけの静かな空間。
横の莉子は完全に爆睡だ。
もう少し警戒しろよなぁ。
俺は耐えるためにテレビに集中する。
『今は人には伝えれないっていう言葉ってたくさんあると思うんですよね~』
司会者の男が何やら語っていた。
『時間が経てば言えることもあるし経つほど言いづらくなるものもありますよね』

