「とりあえず俺んち来い」 「なんで?」 「今日おばさんいるって言ってたし、また早退したってバレると心配かけるだろ」 「そんなことまで考えれるようになったんだ」 嫌味ったらしく言う莉子を置いて電車に乗る。 「待ってよ~」 後から追いかけてくる莉子。 相変わらずちっせぇな。 乗客は疎らでゆったりとした静かな場所だった。 「…ん」 いつの間にかこの静けさに負けたのかうたた寝中の莉子は俺に寄りかかってくる。 今日は悪いことしたし特別に俺の肩を貸すことにした。