恥ずかしいけど、いつか言葉に表して莉子に話すことができたらいいと思う。
「あと6限目だけだし帰るか!」
「またぁ?」
「つか莉子は帰ったことになってんだけどな」
「…そっか」
莉子は納得したのか小さく頷いた。
「俺、鞄持ってくるから先に裏門で待ってろ。先輩とか誰かに連れて行かれそうになったら……蹴れ」
「…け……? …う、うん」
図書室を出てまだ授業中の廊下を走った。
莉子と俺の鞄を持って急いで裏門に向かう。
裏門で待ってる莉子を見つけて一安心。
「りーこ!」
「う、わ!!」
ボーっとしてたのか予想以上にびっくりした顔をする莉子。
「ビビりすぎ」
「優の影が薄いの―」
「俺、存在感ヤバいから」
なんて冗談を言いながら駅に向かった。

