「…コーヒー、痛かったでしょ? ごめんね…?」
「……あれは痛いぞ」
「だからごめんって…」
俺の腕の中にいる莉子は安心してるのか、俺の背中に腕を回して顔をくっつけてる。
…図書室か……?
なんでこんなところにいたんだよ…。
「また誰かに嫌がらせでもされたのか?」
「…ううん」
「じゃあなんでこんなところにいるんだよ」
「…私が……間違って鍵を閉めちゃったの!」
何か隠してるな…。
外側からしか鍵はかけられないのに…莉子は必死で言いわけ。
「バカだな」
何か不安なことがあるのか、心配しているのか、よくわかんねぇけど…聞かれたくないのは分かった。
俺は深入りしなかった。