「コラ! 西野―!!」 後ろで先生がどなり声をあげてるのなんか無視だ。 「走れるんなら授業受けろ――!!!」 はい、無視無視。 靴を脱いで4階まで一気に駆け上がる。 上履きなんか履いてる余裕がなかった。 必至だな、俺……。 たしかこの教室だったと思う…。 しっかり閉まっている鍵を急いで開けて中に飛び込んだ。 「莉子!!」 「…ゆ、優…」 「何してんだよ!!!」 「まだ怒ってるの? 怒りたいのはこっちなのに?」 あ、そうだ…。 俺、莉子に妬かせようとしてやり過ぎてたんだっけ。