温かいブラックコーヒーを買って教室に戻る。
扉を半分くらい開いたところで見えた光景は仲よさそうに話してる優と草野さん。
ほんの少しだけ胸がチクンとした。
「莉子? んなとこ突っ立ってないで早く来いよ」
半分開いてる扉の隙間で優と目があった。
「う、うん…」
席に戻って優にコーヒーを渡すとまた話し始めた2人。
柚ちゃんは私に気を遣ってか、塁君を誘って二人で話しかけに来てくれた。
「…あの転校生、なんか少し嫌な感じじゃない?」
柚ちゃんがそう言った。
「そう、かな…」
後ろで話してる2人に聞こえないような声で私に耳打ちする柚ちゃんは嫌そうだ。
「優も珍しいな、初対面は苦手なはずなのにさ」
塁君も不思議そうに見ている。

