私の後ろに静かに座った草野さん。
「わからないことあったら何でも聞いてね!」
「あ、はい…」
「あー! 私、鈴木莉子!! 好きに呼んでね」
「はい…」
一方的に話す私に嫌そうな顔1つせずに笑顔で答えてくれた。
「隣の方は?」
返事以外の言葉が返ってきたと思ったら優のことだった。
「ん? あ、こいつ? 優、自己紹介しなよ」
「…西野優」
「素気ないなぁ~…」
「知ってる。あ、莉子。コーヒー買ってきて」
「はいはい…」
一瞬だけ草野さんのほうを見た優はすぐに私のほうに向いてお金を渡してきた。
私は立ちあがって教室を出る。
優、草野さんみたいな綺麗な人タイプだと思うんだけどなぁ。
仲良くすればいいのに。
教室に戻るまではそう思ってた。

