「そう言わずにさぁ、1杯だけ付き合ってよ」
「未成年なんで…」
「いいじゃん~。俺ら成人してるし~、ばれないよ」
腕を強く引っ張ってくる人。
2人ともお酒臭い。
腕に力を入れて離れようとしてみたけど、力が強すぎて無理。
「近くにお勧めのバーがあるんだ。行こうよ」
「いいで、すって」
お酒臭い顔が近付いてきて私の顔を舐めまわすように見てくる。
怖いし、臭い。
「うわ、暗いけどよく見るとすっげぇビンゴ♪」
「マジー?」
もう一人の方も顔を覗いてくる。
「やめて…くださいってば」
「…離せ」
後ろから聞こえた声と私の腕をつかんでいる男の人の手を引き離す手。
「あ…」
「なんだ、こいつ」
振り返るとあまり暗くて見えなけど怒っている顔。