個室から出ると思っていた以上のにぎわい。
優を探すのが困難だ。
まだ出て行ってそんなに時間が経ってないし、お店の中にいても全然おかしくない。
「あ、すいません。目つきの怖い黒髪の男の人みませんでした?」
近くにいた店員さんに聞いてみる。
「あー…それならさっき出て行かれましたよ」
笑顔で対応してくれた店員さんにお礼を言ってからお店を出た。
「暗…」
外は暗くて街灯が頼りの状況の中歩いていると後ろから声をかけられた。
「お嬢さん♪」
「え?」
振り返ると知らない男性が2人。
「何か?」
「今、暇してる? 一緒にご飯行かない?」
「…人探してるんで……結構です」
そう言って離れようとするとまた近づいてきた。

