優の手はいつも冷たくて。
今日も冷たかった。
「ここ?」
「うん、結構大きいね」
焼き肉屋さんの前につくと数人クラスメイトと会った。
中に入って部屋に案内してもらうとすでにたくさんの見慣れた顔。
「お前ら二人で登場か―」
なんて少し酔ってんの? って思っちゃう先生の赤いほっぺを見てから既に来てた塁君たちの傍に座った。
「もうみんな食べてるんだ」
「うん、これもう焼けてるからどーぞ」
おいしそうなお肉をお皿に乗せてくれた塁君。
さっきまで横にいた優はいつの間にかクラスの男子に囲まれて食べていた。
「おいしいでしょ?」
「うん。てか私2人の邪魔…」
塁君と柚ちゃんは隣同士で座ってる。
「違うよ~、俺が邪魔なんでしょ? 優のとこ行ってくる~」
そう言って塁君も立って行ってしまい、柚ちゃんが私の横に来た。
「良かったの?」
「いいの~、2人で話そ?」

