俺様男子


「お客様、連れていきたよ~」

「イケメン~♪」

「優の弟―」


 夏弥君を席に案内して注文を取りに行った。





「何がいい?」

「あ、こら!! 莉子ちゃん、口調!!」



 そばをたまたま通りかかった委員長が肩をつついた。




「口調までやらなきゃいけないの?」


 夏弥君が笑いをこらえながら聞いてきた。




「…うん」

「じゃあやってね♪」



 なんで夏弥君にやらなきゃいけないのよ~。



「…ご注文はお決まりでしょうか、ご主人様……」



 委員長がこう言えって予め言ってくれてた奴。



「くは、兄貴に怒られそ……」

「もう手遅れ」




 いつの間にか後ろに立ってた優。




「う、わ」

「何だよ、人を化け物みたいに」

「化け物でしょ、ヴァンパイアじゃん」

「うるさいわ、莉子。夏弥の注文は俺が取るから厨坊にいろ」



 背中を押されて仕方なく場を離れた。