「めっちゃ甘い優になった」
「え、何それ!! 見たい!!」
「1時間くらいで効き目切れちゃったよね」
「うん、同じー♪」
向こう側の柚ちゃんはいつもより少しテンションが高い気がした。
「良いことあったの?」
「あんな塁君みたことなかったから、ちょっと嬉しい♪」
「Sの塁君って…」
想像できない。
今は記憶がなくなってるのもあるけど、警戒されなければ優しいし、普通だ。
電話を切ってから優とちょっとだけ気まずかった。
「…あの俺は忘れろ」
「え、ヤダ(笑)」
「あれは俺じゃねぇ」
あぁぁ~と嘆きだした優。
可哀相なことしたかな。
楽しかったけど。
「莉子、覚えとけよ」
「へ?」

