「莉子…どうした…?」
「ごめんね?」
「何が?」
「何がって…優じゃない~…」
少しだけ涙目になると優が私を抱き寄せた。
「よしよし~」
やっぱ駄目だ。
…なんでこんな甘い優になってんの!?
「莉子、泣かないで~」
「泣かないから戻ってください」
「どこに?」
「優に」
「優だけど?」
そうなんだけどー…。
いつもと違って無表情じゃなく、満面の笑みを浮かべてる優。
「可愛いんだけど―…」
「可愛いのは莉子でしょ」
「…違くて!!」
優が優じゃないと変だ。
あんな意地悪な優が恋しくなってしまう。

