結局莉子を下ろすことなく莉子の家に着いた。
「あら…」
「ただいま…」
莉子んちのドアを開けると丁度おばさんが靴を脱いでるところだった。
「莉子また熱上がってきて…」
「学校から連絡もらったわ。どこに行ってたの?」
「莉子んちの鍵わかんなくて俺んちで寝させてましたよ」
「そう! ありがとうね」
おばさんはニコニコ笑うと莉子の鞄を持ってリビングに消えて行った。
「部屋行くか」
「うん」
莉子の部屋に入ると何も変わってなくて少し安心した。
「相変わらず散らかってんな」
「優の部屋がきれいすぎるの」
「は、女のセリフじゃねぇだろ」
莉子をベッドに寝かせてから、その辺りに落ちている雑誌を拾い上げて机の上に置く。
「ありがと」
「…あー、ちょっとは気を遣え」
口元を押さえながらもう片方の手で私のほうに投げてきた。
―――――下着。
「あ、ごめん」
「案外シレっとしてんだな」
「キャーとか言ってほしいの?」

