4時まで寝かせたけど、さすがに母さんに見つかると何を言われるかわかんねぇし、面倒だ。
そう思った俺は莉子を寝さしたまま抱き起した。
背中に莉子を乗せて莉子の鞄を持つ。
「…ん、優…?」
「あ、起きた?」
「んー」
機嫌の悪そうな声で唸る莉子は俺の肩においていた手に力を入れる。
「今すぐ下ろして」
「いいけど…帰れんの?」
「ここどこ…」
「道」
少し後ろを見ると目を擦りながらきょろきょろしてる莉子が見えた。
「あんまり動くと落ちるぞ」
「…下ろせぇ」
「嫌」
すぐに頭に振動が来た。
「痛いんだけど」
「うん」
「何がしたいんだよ」
「下ろして」
「あ、もしかして怖い?」
「怖くないし!! 恥ずかしいの!!」
「耳元で大声出すなッ!!!」

