俺様男子

「俺はリビングにいるから遠慮せずに寝てろ」

「はーい」



 全く眠気も寝る気もない私は、軽く返事をして優が部屋を出て行くのを待った。





「あ」

「ん、どうしたの?」

「勝手に部屋漁るなよ?」

「なんでバレた」

「…てめ、やっぱ俺ここにいる」

「ヤダ、寝れないじゃん」



 私が唇を尖らせてそういうと少し笑った優は




「寝る気ないんだろ?」

「なんで知ってんの!?」

「何年一緒にいると思ってんの」

「さぁ?」


 私が曖昧な返事を返すと優は私の肩を押してベッドに寝転がせる。




「俺、この辺で雑誌とか読んでるから―」

「で?」

「お前は寝ろ」

「ちっ…」



 眠くもないのにとか思いつつ、目を瞑ってると案外眠くなってくるもので。




 たぶん5分もしないうちに寝たんだろう。