俺様男子


「おぉ、自覚してたのか」

「優は自分の事カッコいいとか思ってんでしょ」

「莉子ほど不細工じゃねぇってことは知ってる」




 む。




 やっぱり気が合わない。




「優のバカ-」

「隙ありー」




 両手を掴まれて口を塞がれた。




「…な、にすんのよ!」

「何だよ、せっかく俺様がキスしてやったのに」

「そんな雰囲気どこにもなかったでしょ!?」

「俺は空気を読まない男なんだよ」



 優から離れて睨む。




「帰る!!」

「んじゃー、俺も」

「1人で帰れるもん!!」

「方向が同じなだけ~」

「優はまだ授業あるでしょ!?」



 優が持ってきてくれた鞄を掴んで体育館倉庫から出た。




 体育館倉庫を出たところにある階段を勢いよく降りる。




「…あー、もうバカ!」



 後ろから優の声が聞こえた時には遅くてつまずいた。