「うわ、泣いてるよ。こいつ…」
後ろの方で私をずっと睨んでいた人がそう言った。
「本当ね。別れる気になったのかしら」
「どうして…ッ、別れなきゃいけないの……?」
絞り出した声は本当に小さな声で。
「そんなの、私がもらうからよ」
「だったら…直接、本人にアプローチすれば…いいじゃないっ…。こんなやり方…優が好むはずがない…」
私がゆっくりと体を起こしながらそう言うと先輩達は顔を真っ赤にして私に殴りかかってきた。
「…ッ」
ちょっとは遠慮ってものがないの?
思ったより痛くて少し驚いた。
また殴りかかってきた先輩たち。
今度はぎゅっと目を瞑った。
「あ…」
なかなか私にこなかった痛みと先輩たちの声に不思議に思って目を開けてみた。

