「微熱か…」
37.2度を記した体温計をしまってから莉子を見た。
「行く?」
「行きたい」
「今日体育あるけど」
「…んー、体育だけ見学するよ」
莉子は行く気みたいだしいいのかな。
おばさんは案外あっさり許可をくれて莉子は制服に着替えた。
「朝飯食った?」
「うん」
「いつもより早くね?」
「気のせいだよ」
そう言った莉子だけど、明らかにいつもより食べる量が少なかった。
いつも大食いのようにドンドン胃にいれてく莉子なのに、今日はオレンジジュースとサンドウィッチを1つだった。
「ならいいんだけど」
なんとなく俺にはばれたくねぇなのかなと思って俺も口には出さなかった。
「電車の時間結構余裕あるし、ゆっくり行くか」
「うん」
いつもよりゆっくり目に歩いて莉子のペースに合わせてみた。

