俺様男子

 莉子を立ちあがらせて、そのまま抱き上げる。


「うわッ」

「耳元ででけぇ声出すな」

「はーい」



 莉子をベッドに寝かせて俺も傍に座った。




「…ん、なんか眠くなってきた…」

「薬効いてきたんじゃねぇ? 寝ていいから」

「う、ん…」




 顔を布団に隠してしまう莉子はまだどこか照れくさいらしく、耳が赤いのが見える。




「おやすみ」

「おやすみ…優も風邪早く治してね」

「あぁ」



 黒髪を布団に散らして笑う莉子。





 暫くすると目を閉じて規則正しい静かな寝息が聞こえてきた。





 あぁ…こいつなら一生大事にしてやれる。




 そう本当に思った瞬間だった。







 少しは距離が縮まっただろうか。