「なぁ、莉子の好きな人って誰?」
「え……?」
明らかに動揺した莉子は顔を真っ赤にした。
「…部屋戻るか」
「…うん」
莉子の背中を支えて部屋に戻った。
俺は期待なんかしていないけど、気持ちは伝えたい。
気まずくなるとかそんなの、どうでもよくて。
ただ莉子を好きでいたい。
「優…は好きな人いるの?」
「…いるけど」
まさかさっきの話の続きを向こうからしてくるなんて思ってなかった。
「どんな人? 柚ちゃんをフルくらいなんだから素敵な人なんでしょう?」
「素敵っつーか…バカ」
「…バカなの?」
布団に入って顔を半分隠しながら話す莉子。

