「下で話声が聞こえてきたから…誰か帰ってきたのかと思って見に来たの」
「そっか。熱は下がった?」
「わかんない…」
俺の前に座ってる莉子だけどずっと横に座ってる塁しか見ない。
やっぱり嫌われたか?
そう思ってると横にいた北川が耳打ちしてきた。
「莉子ちゃん、照れてるだけみたいよ」
「え…?」
そう言われてもう一度莉子を見て見ると怒っていると言うよりはさっきより顔を赤くして何だかそわそわしてる。
やっべ、可愛い……。
「今のうちに謝っちゃいなさい」
「…あぁ」
俺は一呼吸置いてから莉子に話しかけた。
「莉子」
「…えッ…?」
顔を少しだけあげて俺のほうを見た莉子はやっぱり顔が赤い。
「さっき…ゴメン」
「…あ。大丈夫…薬飲まなかった私も私だし」
そう言ってさっきより顔を赤くして笑った莉子。

