困ったような顔をした優は私の枕元にあった水を取って私の横に座った。
「飲まないからね」
「また熱上がってもしらねぇぞ?」
「優も飲んでないけど治ったじゃない」
「俺は特別だ」
「じゃあ私も特別になる」
私がそういうとこれでもかって言うほど睨まれた。
「どうしても飲まねぇ?」
「どーしても飲まないわ」
「あ、そ。じゃあ無理やりにでも飲ませる」
黒いオーラが出ていそうな頬笑みを見せると私により一層近づいてきた。
「な、何よ」
「強制だからな。早く飲まなかった莉子が悪い」
「は?」
優はまた少し笑うと自分の口の中に水と薬を入れた。
「何して……!!」
私の唇と自分の唇を重ねると無理矢理水と薬を流し込んできた。
「ん゛―――!!」
生温かい水が変な感じで思わず呑み込んだ。
「飲めた?」
私から唇を離すと平然とした顔でそう聞いてきた。

