メールか……。
カチカチと手ぎわよく打たれていくメール。
内容は見えないけど。
「誰に?」
「塁」
「塁君!? メールしてるの?」
「あぁ」
最近、急激に仲が良くなった塁君と優。
そりゃ、嬉しいけどさ……。
邪魔される確率が増える。
ケータイをしまった優は私のほうを見る。
「何?」
「口の横にジャムついてんぞ」
「う」
口元をぬぐい、どーよ。と言う顔で優を見る。
「ん…。つかさ、莉子、全く飾り気ねぇよな…」
「人間、素が一番だよ」
「限度ってもんがあんだよ…。グロスくらい持ってんだろ」
「ない」
「は?」
ないもんはないのよ!!

