俺様男子

 俺の判断は…正解だったんだと思う。




 莉子は塁を好きじゃないって言うけど、わからねぇじゃん?





 だったら、完全にフラれてしまう自分に希望を持つより、親友を応援してやりたい。






 塁のほうが上手く行くんだ。





 情けない奴だよな。




 フラれる勇気もねぇなんて。





 変な気を遣われるのは嫌だ。



 塁がそんなことをするようには見えないけど…自己満足ってやつ。




 俺が莉子を諦めなきゃ始まらないんだよな。





「優」

「ん?」

「親友に嘘つくんだ?」

「ついてねぇよ」

「…あっそ、じゃあなんで泣いてんだよ」

「は?」




 自分の手でそっと頬を触ると温かいものが指についた。


「な?」

「泣いてねぇよ」

「じゃあそれなんだよ」

「雨漏りしてんじゃね?」