俺様男子

「悪かったな」

「別に」



 塁んちに上げてもらい、部屋で話した。




「莉子、塁を助けた意味がないって」

「…俺、莉子に助けてもらわなかったら死んでたかもな」

「莉子にもそう言ったけどいまいち納得してない感じ」




 苦笑いでおばさんが渡してくれたコーヒーを口に含んだ塁。





「言わなかった方がよかったか?」

「いや、どっちにしろそのうちバレるじゃん?」

「北川は?」

「…んー、びっくりしたけど…前より話やすくなったって言われた。ついでに家に送ってきた」

「そか…」




 塁が前より話やくなったのは俺も同感だ。




 でも莉子は前の塁が好きだったんだよな。





 今はまだあんまり話してないから今の良さがわかるのは時間の問題だけど、恋をしてたのは昔だ。




「実はさ、莉子…前のお前のことが好きだったんだ」

「は? 俺、フラれたんじゃねぇの?」



 眉間にしわを寄せた。