俺様男子

「塁君の記憶は?」

「今から作り直していけばいい」

「今までの記憶は?」

「聞かれたら俺らが教えてればいい」




 俺がそういうと少しほっとしたのかため息を吐いた。




「塁君、元気なんだよね?」

「あぁ」

「生きてるんだよね?」

「生きてる」

「…塁君、私の傍にいるんだよね?」

「いる」




 俺は無理みたいだ。




 そっと顔を上げるとやっぱり涙を溜めてる莉子がいる。





「莉子」

「ちょ、見ないでって……!?」





 俺は自分がわからない。




「……ゆ、優?」

「わり…帰るか」



 土の上に転がっていた莉子の鞄を拾って歩く。