その日はなかなか寝付けなかった。
「やっべ! 早く、莉子起こしに行かないと」
完全に寝過ごした俺は朝飯抜きで急いで莉子んち向かった。
「優君、おはよ」
「はよーございますッ! 莉子の部屋いいですか!?」
「いいけど…。莉子、もう起きてるわよ」
「え?」
リビングに通されるとキッチンで朝飯を食ってる莉子を視界にいれた。
「は?」
「あ、優ーおはよ」
「…はよ」
なんで起きてんの?
いつもなら起きてない時間なのに。
俺、朝飯抜いてきたのに。
俺は莉子に近づいて皿の上に乗っていた卵焼きを一つつまんだ。
「あれ、卵焼き食べたかったの?」
「朝飯食ってねぇもん、誰かさんのせいで」
完全に寝過ごした自分のせいなのにな。
「え!? 私のせいなの?」
「どーだろ」
「ロールパン1ついる?」
「頂戴」
莉子に渡されたロールパンを口に押し込んだ。

