俺様男子

「じゃあいうなよ?」

「あぁ、分かってるって」

「俺の親友だったんなら守って」

「だったじゃなくて進行形だから」




 俺が病室を出て行く際に塁から確認のように言われた。





 塁が記憶をなくしてることはできるだけ隠す。






 よく漫画とかである「記憶障害」だろって塁は言ってるし、医者が同行できる問題でもないことは俺らだけでも理解できた。



 時間の問題だってことも分かってる。






「塁が困る質問されたらなんとなく俺がカバーいれっから」

「頼んだ」

「任せろ」




 塁も明日には退院できるみたいだし…。




 莉子はこれから一緒に帰る。





「あ、優! 今から迎えに行こうとしてたの~」

「もうふらついてねぇ?」

「平気だよ」

「ん、なら行こうぜ」