俺様男子

「ちょ、優君。何やってんの?」



 ひきつった顔で俺を見上げてるのは莉子の姉貴のアユさん。




「なんでもないっすよ」

「なんでもないでしょ。ほっぺ真っ赤よ」




 そうそう、俺はこういうのがタイプなんだよ。





 莉子みたいな童顔じゃなくて、アユさんみたいな美人系。




「大丈夫ですよ」



 別にアユさんが好きとかそうじゃなくて、こういうのがタイプってだけ。


 今、俺好きな人いないし。




「朝ご飯食べて行きなよ。優君がこんな早起き出来るとは思えないわ。食べてないんでしょ」

「はは。お見通しですか」

「まぁね~。私の職業なめないでね」



 アユさんは占い師をやってたりする。




 結構な人気の人だ。



 ルックスもいいし、テレビでもよく見かける。




「ちなみに今、迷ってることも分かるわよ。…あんまり深く考えない方がいい。時間が解決してくれる」




 本当にすごい人だ。



 時間が経てば、こんな感情なんて消えるんだ。