普通に寝てる感じだ。



 まぁ、寝てんだけど。




「莉子が気付く前に起きてくれよ…」




 俺がそうつぶやくとその言葉に反応したように少しだけ指が動いた。




「え…? 塁?」

「…」




 気のせいだったのか。




 俺は試しに他にも話しかけて見る。




「今日さ、北川と学校サボってきた(笑)今度、一緒にサボろうぜ」




 反応はないが、そのまま話す。





「俺、莉子に嘘ついた。塁がピンピンしてるって…だから早く起きてくれよ。俺が嘘ついたとかばれるのはどうでもいいけど、莉子が悲しむだろ」

「…」

「塁が莉子を悲しませてどうすんだよ…?」