さっきよりも足を速める。
と、同じくらいに向こうのスピードも上がる。
スニーカーっぽい足音。
怖くて後ろを振り向けない。
カーブミラーも夜は灯りなしで役立たず。
私は恐くなって持っていた音楽プレイヤーをだして大音量にして耳につけた。
歩きなれた道に着いたときに前から人影が近付いてきた。
「莉子!」
「…優?」
助かったぁぁ……。
前から走ってきた優に飛びつく。
「何やってたんだよ!」
「…怖かった……」
「ん…」
音楽を止めて優の胸に顔を埋める。
「どうした?」
「誰かにつけられてたみたいで…」

