俺様男子


「る、塁く…塁…?」

「テンパリすぎ~…ちょっとだけだから」




 ブランコから落ちてしまってる私を抱き上げて抱きしめる。





「なんで俺じゃないの…。なんであいつなの…?」

「…」

「俺のほうが優しいよ?」

「うん…」

「俺のほうが尽くせるよ?」

「うん…」

「俺のほうが絶対後悔しないのに」

「うん…」




 本当になんでだろう。





 塁のほうが魅力的なはずなのに。





「俺…情けないね…」

「そんなことないよ」

「やっぱ塁君に戻そう?」

「え?」

「俺が呼び捨てのほうが距離をとっちゃいそうだ」



 私の肩に顔を埋めてそういう塁…君。





「わかった」

「俺は…どっちのほうがいい?」

「どっちでもいいよ」

「じゃあ莉子のままでも?」

「いいよ」