「俺もね、莉子ちゃんをあきらめるのには時間がかかるよ」
「うん…」
「莉子ちゃんが、誰を好きかも見てたら分かるけど。邪魔をしようとかそういうのじゃないんだ。ただ…暫く好きでいていいか…聞きたかった」
私のほうをまっすぐ見て言った塁君は夕陽で照らされていてすごく綺麗だった。
「うん、大丈夫だよ」
私も恥ずかしさを紛らわすためにお茶を飲む。
「あ! そうだ! こんなことで距離が縮まるとは思わないけど…呼び捨てにしない?」
急に輝いた目で私を見だした塁君。
「うん。いいよ」
「じゃあー………」
人差し指でほっぺを掻いて恥ずかしそうにする塁君。
爽やかだなぁ…。
「り、莉子…?」
「なーに? る…塁君じゃないや…塁?」
「恥ずかしいや…」
「だね」
初々しいカップルかって感じの雰囲気に顔の赤さ。
「あー! も…無理だ」
そういうと塁君は私の腕を引っ張った。
いつの間にかまた塁君の胸の中。

